携帯とコンテンツビジネス

最近の携帯電話は、Push型メール配信システムとコンテンツビューアがメイン機能だと思っています。前者はビジネスとしては最早インフラとしての存在で、他の何かとの連携がいろいろと画策されているのだと認識しています。で、私にとって異質な存在は後者でして。
これより記述する内容〜私にとって歪んで見える現象〜というのが、既得利権へのしがらみという一言で済むのであれば、まだ理解できます。とりあえずどういうものなのか推測しつつ羅列してみます。何故「推測しつつ」かというと、私は携帯をコンテンツビューアとしては使用していない、この仕組みの外側にいる人間でよく判っていないからです。

  • 携帯電話用コンテンツは日本の携帯電話組み込みブラウザに特化している専用サイトがほとんど
  • 携帯電話で利用できるコンテンツにはキャリア公式のものと、そうでないものがある
  • 公式コンテンツはほとんどが有料で、伝統的な電話利用料金のようにキャリア経由で課金と決済が行われる
  • コンテンツプロバイダはおそらくロイヤリティをキャリアに対して支払っている
  • 公式サイトのほとんどはB2Cであり個人サイトはほとんど無い。また、通常のインターネットではC2Cを扱うサイトも、B2Cに限定したフィルタ、もしくはキャリア専用のB2Cメニューを用意している
  • 有名コンテンツの多くは複数キャリアに対応しているが、キャリア間でのポータビリティはない。複数キャリア間での利用どころか、同一キャリア内で複数回線保持していても個別の契約となる
  • 電話番号のポータビリティ(が無いこと)同様に、コンテンツのポータビリティ(が無いこと)もキャリアによる囲い込みに貢献している
  • 非キャリア某社は独自のIDによる管理でコンテンツポータビリティを実現し、セールスポイントとしている
  • 携帯専用コンテンツの多くは普通のインターネットでは無料のサービスが多い。たとえば駅前探検クラブの乗り換え案内など

他にもいろいろと思い当たるところはあるのですが、このように書いていて一番違和感を覚えるのは最後の項です。PCで無料のコンテンツが何で携帯電話だと有料になるかというところです。感情むき出しで考えると、情報リテラシーの低い人間相手にただの物を売りつけているようにも見えます。次のようなモデル・概念もありそうですけれど。

  • PCで閲覧できるサイトこそおまけで無料。もとより有料の携帯コンテンツが本命

あー、他にもいろいろ考えたけれど、もっともな(まだ許せる)意見はこれくらいしか今は思いつきません。
数年前に会社の上司のような方が口にした言葉が今でもどこかに引っかかっています。

i-modeがあればインターネットなんて要らないでしょ?

これを突き詰めていった先に新しいモバイルコンピューティングがあるのか、それともこのような認識をするひとがいなくなるときが新しいモバイルコンピューティング時代なのか。
私としては後者を望むのですが、それこそモバイル幼年期なのかもしれません。ユビキタスというのは、仕組みを理解させず呼吸のように認識する、いや、認識もさせないことが目的とも思いますし。